【勤続1年未満でも通る?】
転職直後の住宅ローン審査で、銀行が本当に見ている基準とは?
こんにちは。
羽曳野市の工務店、tsumuguの代表を務めております山下慶です。
ご夫婦と資金計画のお話をしていると、「実はここ最近、転職したばかりで…」と、少し申し訳なさそうに切り出される場面が少なくありません。キャリアアップや働き方の見直し、あるいはご家族の環境変化など、人生の転機とマイホーム計画のタイミングが重なることって、実はすごくよくある話なんです。
ただ、そこで皆さんが口をそろえて心配されるのが、「勤続年数が1年未満だと、住宅ローンってやっぱり断られちゃいますか?」という点。昔から「勤続3年以上ないと無理」なんて説が広く知られていたせいか、半ば諦めかけている方もいらっしゃいます。
結論から言ってしまうと、転職直後であっても住宅ローンの選択肢がゼロになるわけではありません。たとえば【フラット35】のようにそもそも勤続年数の制限を設けていないローンもありますし、銀行側がどこをチェックしているのか(職種の関連性や見込み年収の妥当性など)さえ掴んでおけば、きちんと対策を立てることができます。
今回は、転職して日が浅いご状況でローンを検討する際、銀行が裏側で何を見ているのか、そして事前にどんな書類や準備を揃えておくと安心なのかをまとめました。「自分たちの場合はどうなんだろう」と疑問を抱えているご夫婦は、ぜひひとつの判断材料として読んでみてください。

転職直後に「勤続年数」が住宅ローン審査で重視される理由
住宅ローンの審査では、多くの金融機関が「勤続年数」を確認項目のひとつとしています。とはいえ、これは「満たさなければ絶対に不可」という一律の条件というより、「安定して返済していけるかどうかを見極めるための材料のひとつ」というのが実際のところに近いようです。
国土交通省が金融機関を対象に実施している調査(令和7年度、2026年3月公表)を見ると、住宅ローンの審査項目として「勤続年数」を挙げた金融機関は93.9%にのぼります。完済時年齢(98.4%)や健康状態(96.1%)、年収(94.2%)と並んで、多くの金融機関が確認している項目のひとつだと分かります。

勤続年数を審査項目とする金融機関のうち、具体的な基準を回答した機関を見ると、「1年以上」とする金融機関が最も多く、全体のおよそ6割を占めています(この設問は複数の基準を回答している金融機関を含む集計です)。一方で「2年以上」「3年以上」を基準とする金融機関も一定数あり、基準は金融機関ごとに異なります。
なぜ「勤続年数」が確認されるのか
住宅ローンは、数十年単位で返済が続く長期の契約です。金融機関は「今の年収」だけでなく、「その収入がこれからも続く見込みがあるか」という点を重視しています。転職直後は、新しい勤務先での収入実績がまだ十分に確認できないため、慎重に判断される傾向があるとされています。
「1年」という数字の考え方
「勤続1年」は多くの金融機関が目安としている数字ですが、法律や制度で一律に定められた基準ではありません。
金融機関ごとに条件は異なり、同じ金融機関でも申込者の状況によって判断が変わることがあります。ご自身の状況にあてはまるかどうかは、事前に金融機関へ確認しておくと安心です。
雇用形態が変わった場合も確認しておきたいポイント
転職と同時に、正社員から契約社員へ、あるいは派遣社員から正社員へと雇用形態が変わる方もいらっしゃいます。
先ほどの国土交通省の調査では、雇用形態についても多くの金融機関が審査時に確認しており、「派遣社員は対象外」「契約社員は対象外」といった条件を設けている金融機関もあることが分かっています。転職によって収入だけでなく雇用形態そのものが変わる場合は、勤続年数とあわせて、雇用形態の条件も確認しておくとよいでしょう。

※本記事で紹介した審査項目や割合は、国土交通省の調査時点(2025年10〜12月の回答分)にもとづくものです。
実際の審査基準は金融機関ごとに異なり、また変更される場合がありますので、お申し込みの際は各金融機関に最新の条件をご確認ください。
勤続1年未満でも検討できるケースと、フラット35という選択肢
勤続年数が1年に満たない場合でも、住宅ローンを組める可能性がまったくないわけではありません。金融機関によって基準が異なるほか、勤続年数の規定を設けていない住宅ローン商品もあります。

フラット35の考え方
フラット35は、住宅金融支援機構と民間金融機関が提携して提供する、全期間固定金利の住宅ローンです。住宅金融支援機構の公式サイトでも、職業や勤続年数による申込要件は設けていない旨が案内されており、転職直後の方でも申し込みの対象になり得るとされています。
勤続期間が短い場合には、それまでに得た収入をもとに年間の収入を算定する仕組みが用いられる場合があるとされています。ただし、具体的な算定方法や必要書類は金融機関によって異なるため、詳しい内容は申込を検討している窓口に直接確認しておくことをおすすめします。数字の見通しを事前に立てておきたい場合も、担当者に相談しながら試算してもらうのが確実です。

また、フラット35は勤続年数の規定がない一方で、返済負担率(年収に占める年間返済額の割合)や、借入対象となる住宅の技術基準など、別の観点からの確認項目が設けられています。「勤続年数の壁がないから安心」と単純に考えるのではなく、他の条件も含めて総合的に確認しておくことが、後々の見通し違いを防ぐことにつながります。
フラット35と民間金融機関の違い(イメージ)
| 比較項目 | フラット35 | 民間金融機関(一般的な傾向) |
|---|---|---|
| 勤続年数の基準 | 規定なし | 「1年以上」とする機関が多い傾向 |
| 金利タイプ | 全期間固定金利型 | 変動金利型・固定金利選択型など |
| 審査で見る主な観点 | 年収・返済負担率など | 勤続年数・年収・返済負担率などを総合判断 |
これらはあくまで一般的な傾向であり、実際にご利用いただけるかどうかは、申込時点の状況や各金融機関の個別審査によって異なります。気になる場合は、複数の窓口で条件を比較しておくと安心です。
前職との合算について
金融機関によっては、同業種への転職であれば、前職の勤続年数を考慮したうえで判断してもらえる場合があるとされています。ただし、これはすべての金融機関に共通する取り扱いではなく、適用の可否は個別の審査によって異なります。前職の経験を評価してもらえるかどうかは、早めに窓口へ相談しておくとよいでしょう。
転職直後に住宅ローンを検討するときに気をつけたいこと
勤続年数が短い状態で審査に臨む場合は、「何を材料に安定性を伝えられるか」をあらかじめ整理しておくことが、後悔を防ぐポイントになります。

現場でよく見られる、進め方のつまずき
実際のご相談の中でも、次のような進め方でつまずいてしまうケースを見かけます。
・転職直後に焦って複数の金融機関へ立て続けに申し込んでしまう
・自己資金や毎月の返済計画を整理しないまま相談に臨んでしまう
・前職との合算ができるかどうかを確認しないまま、条件の厳しい商品だけで検討してしまう
こうした進め方は、必ずしも結果が悪くなるとは限りませんが、比較検討の材料が少ないまま判断することになりやすく、あとから「もう少し調べておけばよかった」と感じる原因になりやすい傾向があります。
なお、短期間に複数の金融機関へ申し込みを重ねることについては、慎重な対応を求められる場合があるとされています。事前に窓口へ相談しながら、申し込み先を絞り込んでから動くほうが、結果的にスムーズに進むケースが多いようです。
審査に向けて準備しておきたいこと

・転職の理由を、前向きな言葉で説明できるように整理しておく(キャリアアップや専門性を活かした転職など)
・給与明細や雇用契約書など、収入を証明できる資料をそろえておく
・自己資金(頭金)を用意できる場合は、計画的な家計管理の材料として伝える
・勤続1年を待つという選択肢も含め、時期を比較しながら検討する
勤続年数を待つべきか、今のタイミングで進めるべきかは、ご家庭の年収や自己資金、将来のライフプランによって異なります。どちらが良いとは一概に言えない部分ですので、迷う場合は資金計画の専門家に相談しながら整理することをおすすめします。

また、住宅ローンの検討と並行して、土地探しや間取りの検討を進めておくという方法もあります。審査そのものは勤続年数が一定期間を超えてから申し込むとしても、その間に希望のエリアや暮らし方について情報を集めておけば、いざ申し込みができる時期になったときに、スムーズに次のステップへ進みやすくなります。時間を「待つだけの期間」にせず、「準備を整える期間」として活用する、という考え方です。
※本記事は執筆時点(2026年8月1日)の情報をもとにしています。住宅ローンの審査基準や商品内容は、金融機関の判断や制度改正により変更される場合があります。お申し込みの際は、必ず各金融機関の最新情報をご確認ください。
tsumuguが大切にしている考え方 — 資金計画から一緒に整理する
tsumuguでは、転職直後かどうかにかかわらず、家づくりの初期段階から資金計画をご家族様と一緒に整理することを大切にしています。

「転職したばかりだけど、そろそろ家のことも考え始めたい」というご相談は、実際に少なくありません。そうした場合、まずは個別資金計画の中で、住宅ローンの選択肢だけでなく、時期を少しずらす場合のメリット・デメリットも含めてお話しするようにしています。勤続年数が一定の目安を超えるタイミングと、土地探しやプラン作成にかかる期間を照らし合わせながら、無理のないスケジュールを一緒に考えていくイメージです。
住宅ローンは、金融機関ごとに基準が異なり、同じ金融機関でも個別の状況によって判断が変わることがあります。
だからこそ、早い段階でご家庭の状況を整理し、複数の選択肢を比較しながら進めることが、納得感のある家づくりにつながると、私たちは考えています。焦って一つの選択肢だけに絞り込むのではなく、時間の使い方そのものを一緒に設計していく——それが、tsumuguが資金計画のご相談で大切にしている姿勢です。転職直後という状況は、決して珍しいものではありません。だからこそ、そのタイミングだからこそできる準備の仕方を、一緒に考えていきたいと思っています。
この記事のまとめ
転職直後で勤続年数が短い場合でも、住宅ローンをあきらめる必要はありません。ただし、金融機関ごとに基準が異なるため、事前の情報整理と準備が、納得できる判断につながります。

・多くの金融機関が勤続年数を審査項目としているが、基準は「1年以上」を中心に金融機関ごとに異なる
・フラット35には勤続年数の規定がなく、選択肢のひとつになり得る
・転職理由や収入証明資料を整理しておくと、審査での説明がしやすくなる
・焦って申し込むより、時期や選択肢を比較しながら進めることが後悔を防ぐ
・迷ったときは、早めに資金計画の専門家へ相談し、状況に合った進め方を整理することが大切
「今すぐ結論を出さなければ」と焦る必要はありません。まずは現状を整理し、選べる道がいくつかあることを知っておくだけでも、気持ちは少し軽くなるはずです。
※本記事には、内容理解を助ける目的で一部AI生成画像を使用しています。
引用元・参照元
・国土交通省 住宅局「令和7年度 民間住宅ローンの実態に関する調査 結果報告書」(令和8年3月)
https://www.mlit.go.jp/report/press/content/001991057.pdf
・住宅金融支援機構「長期固定金利住宅ローン【フラット35】」公式サイト
https://www.flat35.com/loan/flat35/index.html
・住宅金融支援機構「フラット35パッケージ」(勤続年数等の申込要件に関する記載を含む)
https://www.flat35.com/loan/plan/package.html
・三菱UFJ銀行「住宅ローンは転職後でも組める?勤続年数が審査に与える影響」
https://www.bk.mufg.jp/kariru/jutaku/column/029/index.html
・三井住友銀行「住宅ローンは勤続年数が短くても組める!転職後でも審査に通る方法」
https://www.smbc.co.jp/kojin/jutaku_loan/column/length-of-service/
※本記事は執筆時点の情報です。制度や金利、補助内容などは変更される場合があります。フラット35の取扱条件は住宅金融支援機構および取扱金融機関により変更される場合がありますので、最新の要件はフラット35公式サイトまたは取扱金融機関にてご確認ください。
よくある質問<FAQ>
Q1. 勤続1年未満だと、住宅ローンの審査には申し込めないのでしょうか?
A. 金融機関によって基準が異なり、申し込み自体が難しい場合もあれば、条件付きで申し込める場合もあります。
「うちは無理かもしれない」と決めつけず、まずは複数の窓口で確認してみることで、思っていたより選択肢があると分かることも多いです。
Q2. フラット35なら、勤続年数に関係なく必ず通るのでしょうか?
A. 勤続年数についての規定はありませんが、年収や返済負担率など、他の審査項目は確認されます。「規定がない=必ず通る」というわけではない点は、覚えておいていただくと安心です。
Q3. 転職前の会社での勤続年数を、考慮してもらうことはできますか?
A. 同業種への転職などの場合、前職の勤続年数を考慮したうえで判断してもらえる金融機関もあるとされています。
ただし取り扱いは金融機関ごとに異なりますので、個別にご確認いただくのが確実です。気になる場合は、私どもにご相談いただければ、確認の進め方も含めてお話しできます。
Q4. 勤続1年を待ってから家づくりを始めた方がよいのでしょうか?
A. どちらが良いかは、ご家庭の年収や自己資金、将来設計によって異なりますので、一概にはお答えしにくい部分です。土地探しや設計の検討にも時間がかかるため、勤続年数を待ちながら並行して情報収集を進める、という進め方を選ばれる方も多くいらっしゃいます。
Q5. 審査に不安があるのですが、何から相談すればよいですか?
A. まずは現在の年収や毎月の家計、転職の経緯などを整理してみることから始めていただくと大丈夫です。ひとりで抱え込まず、個別資金計画のご相談の場で、状況に合った進め方を一緒に整理させていただければと思います。
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