大阪で新築、リフォームをお考えなら蓮工務店

公開日: 2026年8月11日

【2027年に何が変わる?】
エアコン新基準の中身と、新築で後悔しない容量選びの基本知識

家電量販店の壁面に並んで展示された3台のルームエアコン。「【2027年に何が変わる?】エアコン新基準の中身と、新築で後悔しない容量選びの基本知識」と記載されています。

こんにちは。
羽曳野市の工務店、tsumuguの代表を務めております山下です。

最近、ニュースやSNSなどで「2027年からエアコンが高くなる」「安価なモデルが買えなくなるかも」といった噂を目にして、首をかしげている方もいらっしゃるのではないでしょうか。家づくりの予算を考える中で、こうした電化製品の値上がり報道が出てくると、どうしても身構えてしまいますよね。

結論からお伝えすると、噂の根っこにあるのは2027年4月からスタートする省エネ基準の改定です。一見すると「値上げ」のように感じられますが、制度の意図や機器の進化を紐解いていくと、決して怖い話ではありません。むしろ、これからの住まいにおける光熱費をぐっと抑えてくれる頼もしい変化でもあります。

そこで今回は、2027年問題と呼ばれる制度変更の本当のトコロと、賃貸・戸建てそれぞれの立場での付き合い方をサクッと整理してみました。あわせて、新築を計画する際に多くの方が陥りがちな「エアコン容量(畳数)の選び方の罠」についても分かりやすくお伝えします。無理に買い替えを急がず、納得のいく設備計画を立てるためのヒントとして役立ててみてください。

大きな掃き出し窓から庭の緑を望む、明るいナチュラルテイストのリビング。無垢材風の床にグレーのソファが配置され、壁面にはエアコンが設置されています。

エアコンの「2027年問題」とは?まず知っておきたい基本

2027年4月から、家庭用エアコン(壁掛形)に新しい省エネ基準が適用されます。ただし、この基準はご家庭に直接エアコンの買い替えを求めるものではなく、エアコンを製造・出荷するメーカーや輸入事業者に対して課される仕組みです。まずはこの制度の中身を、誤解しやすいポイントとあわせて整理してみましょう。

そもそも「トップランナー制度」とは

この新基準は、省エネ・非化石転換法にもとづく「トップランナー制度」の見直しによるものです。トップランナー制度とは、その時点で最も省エネ性能の高い製品を参考に、将来の技術開発も見込んで目標基準値を定める制度です。エアコンでは、家庭用の壁掛形について2027年度から、それ以外のタイプについては2029年度から新しい基準が適用される予定です。

白系のサイディング外壁が施工された住宅の外観。1階部分の壁面に、専用の架台を用いてエアコンの室外機が壁掛け設置されています。

大切なポイントは、この基準がメーカーごとに「その年度に出荷する製品全体の平均」で評価されるという点です。
省エネ性能の高い製品と低い製品を組み合わせて販売している場合、出荷台数を踏まえた平均値で判断されるため、基準を下回る製品がただちに一律禁止になるわけではありません。

SNSなどでは「基準未達の製品は2027年4月から一切買えなくなる」といった話も見かけますが、これは正確な理解とは言いにくく、実際には「メーカー全体として、より省エネ性能の高い製品構成へ移行していく」という制度だと捉えていただくのが実情に近いといえます。

今使っているエアコンは、買い替えが必要になるの?

結論から言うと、今お使いのエアコンをすぐに買い替える必要はありません。トップランナー制度はメーカー側の出荷基準にかかわる制度であり、すでに設置されているエアコンの使用や修理を制限するものではないとされています。メーカーごとに部品の保有期間(おおむね10年程度が目安とされています)を設けており、その期間内であれば故障時の修理対応も基本的に可能です。詳しい保有状況は、お使いの機種やメーカーによって異なりますので、気になる場合は製造年月を確認のうえ、メーカーに直接お問い合わせいただくことをおすすめします。

住宅の外壁に設置されたエアコンの室外機を、タブレット端末を用いて点検・確認している作業スタッフの様子。

つまり、「2027年を境に一斉に使えなくなる」というのは正確な理解ではありません。実際に変わっていくのは、これから新しく販売されるモデルの性能や価格帯の方だと考えていただくのがよいでしょう。

※本記事は執筆時点の情報です。制度や金利、補助内容などは変更される場合があります。

エアコンは本当に値上がりするのか?賃貸・戸建てそれぞれの向き合い方

新基準への対応にともない、価格帯の入り口となっているスタンダードモデルを中心に、販売価格が上がる可能性があるとされています。一方で、省エネ性能の向上によって光熱費が下がる効果も見込まれるため、購入価格だけでなく、使用期間全体で考えることが判断のポイントになります。

なぜ「値上がりの可能性がある」と言われているのか

現在市場に出回っている価格の安いスタンダードクラスの製品の中には、2027年度基準を満たしていないものが少なくないとされています。各メーカーは基準に対応するため、省エネ性能を高めた新モデルへの切り替えを進めており、その過程で価格帯全体が底上げされる可能性があると見られています。ただし、実際にどの程度価格が変動するかは、メーカーの方針や在庫の流通状況などによって異なるため、現時点で一律に言い切ることはできません。

家電量販店の壁面に並んで展示されている複数台のルームエアコン。各製品の性能や価格を比較するためのPOPが掲示されています。

※エアコンの販売価格や商品ラインナップは、今後もメーカーの方針や市場の状況によって変わる可能性があります。実際に購入を検討される際は、販売店やメーカーに最新の情報をご確認いただくと安心です。

光熱費の削減効果も、あわせて考えたい

エアコンの省エネ性能は「通年エネルギー消費効率(APF)」という数値で表され、この数値が大きいほど、年間を通じて少ない電力で冷暖房をまかなえることを意味します。資源エネルギー庁の試算によると、6畳用エアコン(2.2kW機)で2027年度基準を満たす製品に切り替えた場合、年間で約2,760円、14畳向けエアコン(4.0kW機)では年間で約12,600円の光熱費削減効果が見込まれるとされています。

エアコンの平均使用年数は約14年とされていますので、使用期間全体で考えると、6畳用で約4万円、14畳向けで約18万円ほどの削減効果になる計算です(いずれも試算値であり、実際の効果はご家庭の使用状況によって異なります)。

無垢材風の床と木製家具で統一されたナチュラルな空間で、エアコンのリモコンを操作して室温を調整している手元。

このように、購入価格の高さだけで判断してしまうと、かえって長期的な負担を見誤ってしまうこともあります。エアコンの価格を比較する際は、本体価格だけでなく、同じ出力帯・同じ付加機能同士で比べることが大切です。例えば、付加機能の少ない6畳用のスタンダードモデルと、自動お掃除機能などが付いた14畳向けの上位モデルを、価格だけで単純に比べてしまうと、実際の価値を正しく判断しにくくなってしまいます。

買い替えは急ぐべき?賃貸・戸建て別の考え方

賃貸にお住まいの方は、基本的にはエアコンの設備は貸主側の管理となるケースが多く、故障や交換のタイミングは管理会社や大家さんとの相談が前提になります。今の時点で慌てて何かをする必要はなく、「そういう制度が始まる」ということを知っておく程度で十分でしょう。

タイル調の外壁で仕上げられた集合住宅の外観。各住戸のバルコニーには、エアコンの室外機や給湯器などの設備が設置されています。

一方、戸建てで持ち家をお持ちの方や、今まさに新築を検討されている方は、次の買い替えや新規設置のタイミングで、価格と省エネ性能のバランスを見ながら選ぶ視点が求められます。とくにこれから家を建てる方にとっては、エアコン単体の価格だけでなく、住まい全体の断熱性能とあわせて容量を考えることが、後悔しない選択につながります。

次の章で、この点を詳しく見ていきましょう。

新築で後悔しないためのエアコン容量の選び方

エアコンは「容量が大きいほど安心」でも、「部屋の畳数どおりに選べば間違いない」でもありません。住まいの断熱性能や間取りに合わせて、適切な容量を見極めることが、快適さと電気代の両方を左右する重要なポイントです。

「◯畳用」という目安は、実は古い基準にもとづいている

エアコンのカタログには「6畳用」「14畳用」といった目安が記載されていますが、この目安は1970年に定められた指針をもとにしており、断熱性能や日射遮蔽がほとんど考慮されていない住宅を前提に作られたものです。

大きな窓から自然光が差し込む、無垢材風の床と白い壁のナチュラルなリビング。L字型のファブリックソファと木製テレビボード、エアコンがスッキリと配置されています。

この点について、住宅の省エネ性能研究の第一人者として知られる、東京大学大学院工学系研究科の前真之准教授も指摘しています。前氏は1998年に東京大学工学部建築学科を卒業後、同大学院で建築環境工学を専攻して博士(工学)を取得し、2008年より東京大学大学院工学系研究科建築学専攻の准教授を務めています。住宅の省エネルギーや快適性に関する研究を20年以上にわたり続けており、著書『エコハウスのウソ』シリーズなど、住宅性能の分野で広く知られる研究者のひとりです。

その前氏が専門メディア「Replan」の連載の中で、この畳数表示の目安は現在の住宅にそのまま当てはめると能力が過大になりやすい傾向があると指摘しています。断熱性能の高い住宅が増えている今、カタログの畳数表示だけを頼りにすると、必要以上に大きな容量のエアコンを選んでしまうケースが少なくないのです。

なお、この指摘は2024年に公開された記事にもとづくものであり、2027年度の新基準そのものについて述べたものではありませんが、「畳数の目安を鵜呑みにしない」という考え方は、時期を問わず共通して参考にしていただける視点です。

容量が大きすぎる・小さすぎる、それぞれのデメリット

「大は小を兼ねる」と考えて、必要以上に大きな容量のエアコンを選んでしまう方もいらっしゃいますが、これにはいくつかの注意点があります。逆に、価格だけを見て容量を小さくしすぎることにもリスクがあります。それぞれの特徴を整理すると、次のようになります。

選び方起こりやすいこと
容量が大きすぎる部屋がすぐに設定温度へ達し、断続運転が増えることで、除湿力が落ちたり、電気代が想定より下がりにくくなる場合があります
容量が小さすぎる能力不足を補うために常にフル稼働に近い運転が続き、電気代がかさんだり、機器への負担が大きくなる場合があります
住まいの性能に合わせて選ぶ断熱・気密性能や間取り、窓の配置などに応じた適切な容量により、無駄のない運転につながりやすくなります

どちらのケースも「なんとなく」で選んでしまうと起こりやすい失敗です。とくに新築の場合は、間取りが確定する前の段階から、部屋の配置や窓の大きさ、断熱仕様とあわせてエアコンの容量を検討しておくことが望ましいといえます。

畳の空間が隣接するリビングで、ソファに腰掛けて読書を楽しむ女性。大きな窓と壁掛けエアコンがある、採光に優れたくつろぎの空間です。

実際のご相談の中でも、「リビングが広いので、念のため一番大きい容量にしておきたい」というご要望をいただくことがあります。お気持ちはよく分かりますし、間取りや設置環境によっては大きめの容量が適している場合もあります。ただ、断熱性能の高い住まいでは、大きすぎる容量がかえって快適性を損ねてしまうケースも見受けられるため、私たちは間取りや窓の配置、断熱仕様を踏まえたうえで、一緒に容量を検討させていただくようにしています。

木目の美しいテーブルに広げられた住宅の平面図。図面を指差しながら、部屋の配置や間取り、生活動線について打ち合わせをしている手元です。

tsumuguが間取りの段階からエアコンをご提案している理由

私たちtsumuguでは、間取りの打ち合わせを進める段階から、エアコンの設置位置や容量についてもあわせてご提案しています。これは、住まいの断熱性能や窓の配置、部屋のつながり方によって、実際に必要な冷暖房能力が大きく変わってくるためです。カタログの畳数表示だけに頼らず、実際の暮らし方や間取りの特性を踏まえたうえで容量をご案内することで、「効きすぎて電気代が高い」「効きが悪くていつもフル稼働」といった、住み始めてからのミスマッチをできるだけ防ぎたいと考えています。

窓から明るい自然光が差し込む室内で、木製のカウンター棚を使って洗濯物を畳む女性。壁面上部には空調用のエアコンが設置されています。

エアコンは新築時に一度設置すると、長く使い続ける設備のひとつです。だからこそ、価格や畳数の表示だけで判断するのではなく、住まい全体の性能とあわせて検討していただくことをおすすめしています。

この記事のまとめ

2027年4月からのエアコンの新しい省エネ基準は、メーカーの出荷基準にかかわる制度であり、今お使いのエアコンがすぐに使えなくなったり、買い替えが強制されたりするものではありません。一方で、価格帯の入り口となるモデルを中心に、今後価格や商品ラインナップが変化していく可能性はあるため、正しい知識を持って向き合うことが大切です。

・新基準はメーカー側への出荷基準であり、既存のエアコンの使用や修理を制限するものではない
・価格上昇の可能性はあるが、省エネ性能向上による光熱費削減効果もあわせて考えることが大切
・賃貸の方は今すぐ何かをする必要はなく、制度の内容を知っておく程度で十分
・「◯畳用」という目安は古い基準にもとづいており、現在の高性能住宅ではオーバースペックになりやすい
・新築時のエアコン容量は、畳数表示だけでなく住まいの断熱性能や間取りとあわせて検討することが望ましい

エアコン選びは、価格や畳数だけで判断すると、住み始めてから「思っていたのと違った」と感じやすい部分でもあります。今回の記事が、これからの選択を考えるうえでの一つの判断材料になれば幸いです。

※本記事には、内容理解を助ける目的で一部AI生成画像を使用しています。

よくある質問<FAQ>

Q1. 賃貸に住んでいますが、2027年問題は自分にも関係ありますか?

A. 賃貸のエアコンは基本的に貸主側の設備となることが多く、交換の判断は管理会社や大家さんとの相談が前提になります。今の時点で入居者の方が慌てて何かをする必要はありませんので、「そういう制度が始まる」という程度に知っておいていただければ十分です。故障などで気になることがあれば、まずは管理会社にご相談ください。

Q2. 今使っているエアコンが2027年4月以降に壊れたら、修理できなくなりますか?

A. ご安心ください。新基準はメーカーの出荷基準にかかわる制度であり、すでに設置されているエアコンの修理を制限するものではないとされています。メーカーごとに部品の保有期間が設けられていますので、詳しくはお使いの機種の製造年月を確認のうえ、メーカーへご確認いただくと確実です。

Q3. 新築するなら、エアコンは容量が大きいものを選んだ方が安心ですか?

A. 大きければ安心、というわけではありません。容量が大きすぎると、かえって除湿力が落ちたり、電気代が下がりにくくなったりする場合があります。住まいの断熱性能や間取りに合わせて適切な容量を選ぶことが、快適さと電気代のバランスにつながります。迷ったときは、間取りの段階から相談できる住宅会社に確認してみることをおすすめします。

Q4. 電気代を抑えるために、今すぐ買い替えたほうがいいですか?

A. 必ずしも今すぐ買い替える必要はありません。今のエアコンがまだ問題なく使えているのであれば、無理に急ぐ必要はないでしょう。ただし、使用年数が長く調子が気になっている場合は、価格だけでなく省エネ性能による光熱費削減効果もあわせて比較検討されると、納得感のある判断がしやすくなります。

Q5. 部屋の畳数どおりに選べば、失敗しませんか?

A. カタログの畳数表示は、断熱性能があまり考慮されていない古い基準にもとづいているとされ、現在の高性能な住宅にそのまま当てはめると、容量が過大になりやすい傾向があります。とくに新築の場合は、畳数だけでなく断熱性能や間取りとあわせて検討することで、より暮らしに合った選択がしやすくなります。

tsumuguの施工エリアについて

tsumuguでは、羽曳野市、松原市、藤井寺市、富田林市、柏原市、八尾市、大阪狭山市、堺市全域、河内長野市を中心に、家づくりのご相談を承っています。
奈良県側については、香芝市、葛城市、大和高田市、平群町、三郷町、王寺町、斑鳩町、河合町、上牧町、広陵町など、羽曳野市を中心に車で1時間圏内のエリアを主な対応範囲としております。
施工可能エリアの詳細は、お気軽にお問い合わせください。

ご相談・お問い合わせについて

エアコンの容量や設置位置は、間取りの検討段階から一緒に考えていくことで、住み始めてからのミスマッチを防ぎやすくなります。「今はまだ情報収集の段階」という方でも大丈夫です。tsumuguでは、資金計画や土地探しの基礎から学べる「家づくり勉強会」や、実際の住まいの間取り・性能を体感できる「完成見学会」を定期的に開催しています。気になる点があれば、まずは気軽な個別相談からでもかまいませんので、お問い合わせください。

スタッフブログ一覧
スタッフブログ一覧
ページトップへ