【自営業のローン審査】
確定申告書のどこを見る?住宅ローンを通すために知っておきたい3つの条件
こんにちは。羽曳野市の工務店、tsumuguの代表の山下です。
家づくりのご相談をいただくなかで、自営業・個人事業主のご夫婦から「住宅ローンが通るか不安で、相談のタイミングさえ迷っている」というお声を聞くことがあります。
そのような方に少しでも参考になればと思い、今回はこのテーマでお伝えします。
「自営業だから、住宅ローンは難しいんじゃないかな…」。
家づくりを考え始めたとき、そんな不安が頭をよぎる自営業・個人事業主の方は少なくないと思います。
実際、審査の基準が会社員とは異なるため、事前の知識なしに動き出すと、思わぬところで時間を取られてしまうこともあります。
この記事では、住宅ローン審査で確定申告書のどこが見られるのか、どんな条件が重視されるのか、そして事前にできる準備の考え方について、わかりやすく整理しました。
「まず情報として知っておきたい」という段階でも、ぜひ最後まで読んでみてください。

そもそもなぜ自営業者は審査が厳しいといわれるのか
住宅ローンの審査で金融機関が最も重視するのは、「安定して返済を続けられるかどうか」という点です。
会社員であれば源泉徴収票によって毎月の給与収入が明確に証明できますが、自営業の場合は収入の波が生まれやすく、証明書類も確定申告書になります。そのため、より慎重に審査される傾向があります。
自営業者の審査が難しいとされる主な理由は、次の3点です。
収入の変動が大きい
景気や案件の状況によって売上が変動しやすく、毎月安定した収入が保証されにくいと判断されることがあります。
所得が低く見える
節税対策として経費を多く計上すると、申告上の「所得」が低くなります。
金融機関が見るのは「売上」ではなく「所得」のため、税金の負担を減らした申告がローン審査では不利に働くことがあるのです。
事業年数が問われる
多くの民間金融機関では業歴2〜3年以上を条件とするケースが見られます。開業直後は申し込み自体が難しい場合もあります。
ただし金融機関によって基準は異なります。
この3つを理解したうえで、何をどう準備するかを考えることが、審査をスムーズに進めるための出発点になります。

確定申告書のどこが審査に影響するのか
審査で提出する確定申告書には、金融機関が特に注目するポイントがあります。ここを事前に把握しておくだけで、心構えが変わります。
審査の基準は「売上」ではなく「所得金額」
会社員の場合は「税込年収」が審査の基準になりますが、自営業の場合は確定申告書に記載された「所得金額」が基準になります。
所得金額とは、売上から必要経費を差し引いた後の金額のことです。
たとえば、売上が800万円あっても、経費が700万円計上されていれば所得は100万円です。審査では「年収100万円の方」として扱われることになります。
売上規模と審査上の評価がかみ合わないと感じる方が多いのは、まさにここに原因があります。
また、民間金融機関の多くでは直近2〜3期分の確定申告書の所得を参照したうえで審査されることが一般的です。
1年だけ所得が高くても、前年が低ければ評価に影響することがあります。

青色申告決算書の「損益計算書」と「貸借対照表」も確認される場合がある
確定申告書と一緒に提出する「青色申告決算書」も審査の対象になることがあります。
損益計算書では事業の継続性や黒字かどうか、貸借対照表では負債の状況や純資産(資産から負債を引いた金額)などが確認されます。
白色申告の場合は「収支内訳書」が対象です。
「健全に事業を続けているか」という視点で、書類全体が評価されると考えておきましょう。
納税証明書「その1・その2」も必要書類のひとつ
税務署で取得できる「納税証明書(その1・その2)」も多くの金融機関が求める書類のひとつです。
その1は税金の納付・未納の状況、その2は所得金額の証明になります。
税金に未払いがあると、その時点で審査が大きく不利になる可能性があります。日頃からの納税管理が大切です。

住宅ローン審査を通過するために意識したい3つの条件
自営業者が住宅ローンを検討するうえで、事前に押さえておきたい3つの条件をお伝えします。
条件①「所得」を意識した申告の考え方
節税の観点から経費を活用することは大切なことです。
ただ、数年後に家づくりを考えているのであれば、「所得をある程度残す」という視点も選択肢のひとつになります。
審査では複数期分の所得をもとに審査されることが多いため、家づくりを検討する2〜3年前から所得の水準を意識しておくことが、スムーズな審査につながる準備になります。
※ただし、申告内容の変更や税務上の判断については、必ず税理士などの専門家にご相談ください。tsumuguにはFP(ファイナンシャルプランナー)が在籍しておらず、税務・申告に関する具体的なアドバイスは行っておりませんので、あらかじめご了承ください。

条件②「信用情報」を整えておく
住宅ローンの審査では、信用情報機関に記録された過去の返済履歴も確認されます。
クレジットカードの支払い遅延や、カードローン・リボ払いの残高なども審査に影響することがあります。
複数の借入がある場合は「返済負担率(年収に占める年間返済額の割合)」が上がり、借りられる金額が下がることもあります。
住宅ローンを検討する1〜2年前から、不要な借入の整理や利用状況の見直しをしておくことが、審査をスムーズに進めるためのひとつの準備になります。

条件③「金融機関の選び方」で審査のハードルが変わる
すべての金融機関が同じ基準で審査するわけではありません。
自営業者の場合、金融機関の種類によって審査のしやすさに違いがある場合があります。
民間金融機関(メガバンク・地方銀行・信用金庫など)は多くの場合、業歴2〜3年以上・直近複数期の黒字が条件とされることが多いです。
ただし、長くお付き合いのある地域の金融機関では、事業内容を丁寧に説明することで柔軟に判断してもらえるケースもあるとされています。
一方、フラット35(住宅金融支援機構と民間金融機関の提携商品)は、原則として事業継続年数の定めがなく、直近の確定申告書(原則として2期分程度)で審査されるため、民間金融機関と比べて審査のハードルが低い傾向があるとされています。
全期間固定金利のため返済額が変わらず、収入に波のある自営業の方でも長期的な返済計画が立てやすい点も特徴のひとつです。
ただし、フラット35を利用するためには、住宅が住宅金融支援機構の定める一定の技術基準(耐震性・省エネ性能等)を満たすことを証明する「適合証明書」の取得が必要になります。
また、民間住宅ローンでは原則加入の「団体信用生命保険(団信)」がフラット35では任意加入となる点も、事前に確認しておきたいポイントです。

どの金融機関が自分の状況に合っているかは、業歴・所得・信用情報などの個別条件によって異なります。
住宅会社や住宅ローンアドバイザー、FPなど、専門家へのご相談を早めに行うことをおすすめします。
家づくりを始めるタイミングと準備の進め方
「審査が不安だから、まだ家づくりを動かせない」という自営業の方は少なくありません。
しかし、準備の流れを整理しておくだけで、将来に向けた動き方がクリアになることがあります。
自営業の方が家づくりを検討するうえで、現実的な準備の流れのひとつとして参考にしてください。
① 今の申告所得と業歴を確認する
② 金融機関や住宅ローンの種類について情報収集する
③ 2〜3年先を見据えた資金計画と申告の方向性を税理士・FPなど専門家に相談する
④ 土地探しや住宅の仕様について住宅会社への相談を並行して進める
家づくりは住宅ローンの問題だけでなく、土地選び・設計・性能・資金計画など、多くの要素が絡み合います。
「ローンが確定してから動こう」と考えているうちに、気に入った土地が成約してしまうケースも、実際の現場では見受けられます。

また、自己資金(頭金)をある程度準備しておくことも、審査に有利に働く場合があります。
頭金が多いほど借入金額が減り、返済負担率が下がるため、金融機関からの評価が上がることがあります。
自営業の方の場合は特に、事業用の預金と住宅購入用の貯蓄をある程度分けて管理しておくことも、将来の資金計画を立てやすくする一つの方法です。

住宅会社への相談は、ローン審査が通ってからでなくても大丈夫です。
むしろ早い段階で「今の状況だと、どう進めればよいか」を相談することで、現実的な計画が見えてくることがあります。
tsumuguでも、まだ具体的に動けていない段階からのご相談をお受けしていますので、ひとつの選択肢として知っておいていただければ幸いです。

この記事のまとめ
自営業・個人事業主の方の住宅ローン審査は、会社員と異なる視点で確認される点が多くあります。この記事でお伝えしたポイントを整理すると、次のようになります。
● 審査で見られるのは「売上」ではなく「確定申告書上の所得金額」
● 民間金融機関は直近複数期の所得と業歴を重視することが多く、条件は各機関によって異なる
● フラット35は原則として事業継続年数の定めがなく、比較的審査のハードルが低い傾向があるとされる選択肢のひとつ(適合証明書・団信の取り扱いに注意)
● 信用情報や納税状況の管理が審査の結果に影響することがある
● 節税と住宅ローン審査は方向性が相反する場面があるため、数年単位の計画が大切
● 税務・申告に関する具体的な対策は税理士などの専門家へ
「自分の場合はどうなるのだろう?」と感じた方は、まずは情報収集から始めてみてください。
tsumuguでは、資金計画のご相談を含めた家づくり全体のご質問をお受けしています。
まだ具体的でなくても、気になることがあればお気軽にお問い合わせください。
※本記事は執筆時点(2026年6月)の情報をもとに作成しています。住宅ローンの審査基準・フラット35の条件・税制・補助制度などは変更される場合があります。最新情報は各金融機関・住宅金融支援機構(https://www.jhf.go.jp//)・税務署などの公式情報をご確認ください。
引用元・参照元
・住宅金融支援機構「フラット35」公式サイト
https://www.flat35.com/
・住宅金融支援機構「フラット35利用者調査」
https://www.jhf.go.jp/about/research/loan/flat35/index.html
・マネーフォワード クラウド確定申告「個人事業主でも住宅ローンは通る?フラット35の審査基準や通過のポイントを解説」(監修:岡 和恵 税理士/CFP、2025年7月更新)
https://biz.moneyforward.com/tax_return/basic/79198/
・SBI新生銀行「自営業・個人事業主の方が住宅ローンの申し込みをするポイントは?」
https://www.sbishinseibank.co.jp/retail/housing/column/vol111.html
・SBI新生銀行「個人事業主やフリーランスなど、年末調整を利用できない人は、2年目以降も毎年確定申告を行う必要があります」
https://www.sbishinseibank.co.jp/retail/housing/column/vol13.html
・はじめての住宅ローン(リクルート)「自営業・個人事業主でも住宅ローンの審査をクリアするコツを紹介!」(2026年3月更新)
https://finance.recruit.co.jp/article/s001/
・フラット35相談センター「個人事業主必見!フラット35をオススメする理由」
https://www.abicnet.com/knowledge-of-loans/for_one-man_business/
よくある質問(FAQ)
Q1. 自営業を始めてまだ1〜2年ですが、住宅ローンの申し込みはできますか?
A. 民間金融機関の多くは業歴2〜3年以上を条件とする場合が多いです。ただし、フラット35では原則として事業継続年数の定めがなく、確定申告を一定期数以上済ませていれば申し込める場合があるとされています。ご自身の状況に合った選択肢について、住宅ローンアドバイザーや各金融機関に事前に確認されることをおすすめします。
Q2. 節税のために経費をたくさん計上しています。審査に不利になりますか?
A. 審査では確定申告書の「所得金額(売上から経費を引いた後の金額)」が基準となることが一般的です。経費を多く計上していると所得が低くなり、審査での評価が下がる可能性があります。家づくりの計画がある場合は、2〜3年前から申告方針について税理士にご相談されることをおすすめします。
Q3. 確定申告書のほかに、どんな書類が必要ですか?
A. 一般的には、確定申告書一式(青色申告決算書または収支内訳書を含む)・納税証明書(その1・その2)・本人確認書類・住民票などが求められることが多いです。金融機関によって必要書類が異なりますので、事前に各機関へご確認ください。
Q4. 自営業でも住宅ローン控除(減税)は受けられますか?
A. 一定の条件を満たすれば、自営業の方でも住宅ローン控除(住宅借入金等特別控除)を受けることができます。ただし、個人事業主は年末調整を受けられないため、住宅取得の翌年から毎年確定申告で手続きが必要な点が会社員と異なります。適用条件の詳細は国税庁公式サイトや税理士にご確認ください。なお、本制度は税制改正により内容が変わることがあります。
Q5. tsumuguに相談する前に、住宅ローンについて整理しておくべきことはありますか?
A. 直近の確定申告書における所得金額の確認、現在の借入状況の整理、希望するエリアや予算の大まかな方向性を事前に把握していただけると、ご相談がよりスムーズに進みます。まだ何も決まっていない段階でのご相談も歓迎しています。
tsumuguの施工エリアについて
tsumuguでは、羽曳野市・松原市・藤井寺市・富田林市・柏原市・八尾市・大阪狭山市・堺市全域・河内長野市を中心に、住宅のご相談を承っています。
奈良エリアについては、香芝市・葛城市・大和高田市・平群町・三郷町・王寺町・斑鳩町・河合町・上牧町・広陵町など、羽曳野市を中心に車で1時間圏内を主な商圏としております。施工可能なエリアの詳細については、お気軽にお問い合わせください。
ご相談・お問い合わせについて
「うちの状況だと、住宅ローンはどう考えればいいの?」「そもそも家づくりを始めるタイミングはいつがいい?」など、漠然とした疑問でも大丈夫です。
tsumuguでは、家づくり勉強会・個別相談・完成見学会・オンライン相談など、さまざまな形でご相談をお受けしています。まずは情報収集のつもりで、お気軽にご連絡ください。